カリキュラム・科目群設置のガイドライン
資格認定機構は、社会人と学生の資格取得にあたり、以下の通り、資格に必要なカリキュラム及び科目群を設置するためのガイドラインを定めます。カリキュラムの設置
大学等研究・教育機関は、原則として社会人課程と学生課程を設置し(学生課程のみの設置も可)、考古調査士の養成に必要なコースとカリキュラムを設置する。- 社会人課程には、原則としてキャリアアップ・コース、リカレント・コース、マネジメント・コースの3コースを設置する。
① キャリアアップ・コースは、考古調査士の最も基本的分野の拡充に重点をおいたコースで、コース修了者は2級考古調査士資格に申請する要件を満たす。 ② リカレント・コースは、考古調査士として、発掘現場や整理現場を実質的かつ主体的に総括する技能を養成するコースで、コース修了者は1級考古調査士資格に申請する要件を満たす。 ③ マネジメント・コースは、高い学識と広範囲な視野から遺跡発掘調査の全体的企画策定に関わる人材を養成するコースで、コース修了者は上級考古調査士資格に申請する要件を満たす。 - 学生課程には、原則として学部コースと大学院コースを設置する。
① 学部コースは、学部学生を対象としたコースで、必須単位の修得者は2級考古調査士資格を申請する要件を満たす。 ② 大学院コースは、大学院生を対象としたコースで、必須単位の修得者は1級考古調査士資格を申請する要件を満たす。
科目群の設置
考古調査士の養成に必要な科目を体系的に履修するために「標準科目群」を設置し、以下のガイドラインに準じて社会人課程、学生課程のカリキュラムを編成する。(社会人課程)
- キャリアアップ・コースは、標準科目群の中から最低3科目群4科目以上を設置する。特に、文化財行政、または文化財の保存と活用にかかわる科目(第5群)を最低1科目必修科目として設置することが望ましい。また、この中に既存の科目を指定することができる。受講者の必須修得単位は4科目8単位とする。
- リカレント・コースは、標準科目群の中から最低3科目6単位以上を設置する。特に、文化財行政、または文化財の保存と活用にかかわる科目(第5群)を最低1科目必修科目として設置することが望ましい。また、この中に既存の科目を指定することができる。受講者の必須修得単位は3科目6単位とする。
- マネジメント・コースは、標準科目群の中から3科目6単位以上を設置する。特に、文化財行政、または文化財の保存と活用にかかわる科目(第5群)を最低1科目必修科目として設置することが望ましい。受講者の必須修得単位は2科目4単位とする。但し、すでにリカレント・コースで必修科目を履修し単位を修得したものは、再び履修する必要はない。
- 学部コースは、標準科目群の中から最低3科目群5科目以上を設置する。特に、文化財行政または文化財の保存と活用にかかわる科目(第5群)を最低1科目必修科目として設置することが望ましい。学生の必須修得単位は最低3科目群から10単位とする。
- 大学院コースは、標準科目群のうち、文化財行政、または文化財の保存と活用にかかわる科目(第5群)を最低1科目必修科目として設置することが望ましい。学生の必須修得単位は4科目8単位とする。
「標準科目群」
考古調査士の養成に必要な科目を、体系的かつ網羅的に履修するために、以下の第1科目群から第7科目群を標準科目群として設置する。これは、社会人課程、学生課程の両課程に共通する。第1科目群 考古学の概説
特定の時代、地域に限定せず、幅広く世界の地域や時代にわたって、原始文化や古代文明などについて概説する分野。時代、あるいは地域を限ってテーマを固定する場合でも、幅広いジャンルにまたがって全体的テーマを設定する場合は、概説的な扱いとする。第2科目群 考古学の基礎的方法論を扱う科目群
考古学の研究、調査分野では地域や時代を越えた共通の方法論がある。例えば、層位学的原理に基づくものや、年代学の基礎たる型式編年学など、基礎的分野を総合的に扱い、考古学一般の基礎的原理を教える分野。第3科目群 考古学の個別分野を特論的に扱う科目群
日本の先史考古学、あるいは歴史考古学、古代エジプト文明やマヤ文明の研究など、世界の一地域に特化した研究、あるいは自然環境、自然遺物などの分野、特定の学術的課題に焦点を絞り、特論的に扱う分野。第4科目群 考古学調査の技術的実習分野
考古学の野外調査に必要な基本的技術に関する科目群。各種の測量技術や機器の操作法をはじめ、発掘調査に必要な知識や技術、また遺物などを実測などにより資料化し、適切な整理作業を通じて調査成果を発掘報告書にまとめあげる技術を習得する分野。また実験考古学的な方法を用い、古代の技術や手法を復元するための実見実習的科目を含む。
第5科目群 埋蔵文化財を扱う科目群
埋蔵文化財の保存と活用に関する科目群で、埋蔵文化財調査やその成果の扱いに関わる分野。文化財保護法などの諸法規や理念と、実際の運用などについて学ぶ科目群。第6群科目 文化財科学を扱う科目群
埋蔵文化財の調査と研究、活用するにあたって必要となる自然科学を学ぶ分野。埋蔵文化財の産地推定、年代測定、三次元計測といった理化学的分析、地中探査、古環境の復元、GISといった情報システム、あるいは保存科学や修復技術等に関わる科目群。第7科目群 その他の関連科目群
考古学と間接的に関係し、考古学を側面から支援する学問領域、学際的分野からなる。古代史などの概論、文化人類学や形質人類学、日本民俗学、宗教学などの分野。受講条件
大学等研究・教育機関が設置するカリキュラムの受講条件のガイドラインとして、社会人課程、学生課程に応じて以下の通り定める。(社会人課程)
- 受講者は22歳以上(在学者除く)で、以下の条件のうち一つを満たすものとする。
① 高等学校を卒業した者、またはそれと同等以上の学力をもつと認められる者 ② 大学を卒業した者、またはそれと同等の学力をもつと認められる者 - キャリアアップ・コースの受講者は1-①、②で定める条件の一つを満たしたうえ、次のいずれかの条件を必要とする。
① 埋蔵文化財調査の実務経験を有する者 ② 埋蔵文化財の調査に強く関心をもつと認められる者 - リカレント・コースの受講者は、1-②で定める条件を満たしたうえ、次のいずれかの条件を必要とする。
① 埋蔵文化財調査の担当経験を有する者 ② 別に定める2級考古調査士と同等の能力を有すると認められ、かつ通算4年以上の埋蔵文化財調査の実務経験を有する者 ③ 2級考古調査士の資格を有する者。ただし、取得後に2年以上、2級考古調査士相当の埋蔵文化財調査の実務経験を有する者 - マネジメント・コースの受講者は、1-②で定める条件を満たしたうえ、次のいずれかの条件を必要とする。
① 別に定める1級考古調査士と同等の能力を有すると認められ、かつ通算10年以上の埋蔵文化財調査の実務経験を有する者 ② 1級考古調査士の資格を有する者。ただし、取得後に2年以上、1級考古調査士相当の埋蔵文化財調査の実務経験を有する者/td>
- 大学等研究・教育機関の学部または大学院に所属し在籍していること。