資格取得者の声
大網 信良
2008年 考古調査士資格2級取得
2010年 考古調査士資格1級取得
早稲田大学文学研究科博士課程満期退学
現在、東京都スポーツ文化事業団
東京都埋蔵文化財センター勤務
―「考古調査士資格」を取得しようと思った理由を教えてください。
「考古調査士資格」は、私が学部4年生の時にスタートしました。当時卒業論文で自身の研究テーマを掘り下げていく中で、行政機関等が発行した発掘調査報告書に触れる機会が多く、それらの資料を取り巻く背景も知っておきたいと思ったことが資格取得を目指すきっかけです。
―「資格」を取得する過程で、特に「考古調査士資格」科目の受講を通じて何を得ましたか?
それまで、大学では文化財行政や関連法令を専門的に取り扱う講義に乏しかったため、「考古調査士資格」の取得を通じて、文化財保護の基礎を学ぶことができました。実際に行政機関等でご活躍されているプロの方々から直接講義いただくことで、確実な知識にとどまらず臨場感や緊張感溢れる「現場」の状況も知ることができ、それが現在の私の仕事につながっていると思います。また実習の単位取得においては、発掘調査に関わる一定の技術や役割を求められることから、主体性をもって調査に参加する意識が身につきました。
さらに、これらの資格関連科目の講義は一般の考古学の講義と併行して行われるため、それぞれがどのようにリンクするのか、あるいはリンクしないのかなどを考える良い機会となりました。
―「資格」あるいは資格取得の過程が実際の埋蔵文化財調査の職務に役立ったことはありますか?
「考古調査士資格」の取得を通して学んだ埋蔵文化財に関わる知識や技術は、実際の就職試験の際に大変役立ちました。講義のテキストはいまでも重宝しています。
もちろん、他の資格と同じように、資格を取得したからといってすぐに仕事につながるとは限りません。ただし、特に埋蔵文化財行政においては、コンプライアンスの観点から今後何らかの資格が要請される可能性もあります。その際に「考古調査士資格」は、博物館学芸員資格とは異なる分野の専門性を担保する資格として一定の有効性をもつと思います。
―これから取得を考えている方たちにメッセージがあればお願いします。
現在、資格の意義を問う声もありますが、特に私たちのような若手世代が、これからの考古学や埋蔵文化財行政を担っていくうえで欠かせない理念を学ぶために、「考古調査士資格」はとても重要です。
また、専門の道に進まずとも、資格取得を通じて文化財保護の枠組みを実践的・主体的に学ぶことで、様々な仕事に応用できる知恵を得ることができるものと思います。
学びたいことを学ぶために、好きなことを続けていくために、皆さんもぜひ「考古調査士資格」の取得を目指してみてください。
<ほかの資格取得者の声>
「考古調査士資格」を取得した理由
1つは、自分の興味がある授業と資格取得のために必要な授業が多く重なっていたことです。もう1つは、具体的に仕事と直結するとは考えていなかったものの、将来自分のつきたい仕事に挑戦するとき何らかの手助けになればと、取得しようと思いました。
就職活動での利用
面接等で話題になればと思い、履歴書などに資格取得の旨を記載しました。
資格取得が役立ったこと
資格取得を通じて学んだ考古学的な知識はもちろんのこと、行政関係や法律関係についての知識は、仕事に活かすうえでとても役に立っています。
取得を考えている方へメッセージ
資格を取得するために学ぶのではなく、自分の興味があることを学んだ結果として資格を取得できることは、考古学を学んだ証しになります。頑張ってください!