日本の埋蔵文化財包蔵地(遺跡)の数は、およそ46万か所とみられています。日々、全国各地で道路建設や公共、民間を問わずいろいろな施設の建設が行われていますが、なんらかの形でこの膨大な量の遺跡にかかわります。これら開発行為に当たっては、事前の埋蔵文化財の発掘調査を実施することが法令化され、記録にとどめて保存措置をすることが定められています。 実際、文化庁の統計では、毎年10,000件前後の発掘調査が行われています。ごくまれに極めて重要な遺跡が発見され、条件が整えば史跡として保存されることもありますが、大部分は残念ながら調査後に破壊される運命にあります。だからこそ、体系だった技術と知識に基づく発掘調査によってしっかりと記録保存しなければなりません。 調査成果は、報告書としてまとめられ、出土遺物とともに、広く社会に還元して生涯学習や学校教育、さらには街づくりや観光事業などにも活用することが求められています。 これらを実現する職務を担う人は、正確で正しい一連の知識と技術を有し、それを遂行するため
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