【学生用】考古パンフデータ2022年度版
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5 2021年4月より、調査部調査第二課の調査研究員として下記の業務に従事しています。 県内遺跡の発掘調査業務(調査担当者の補佐)/主には遺構の発掘、作図、写真撮影、作業員への指示など。整理作業業務(担当者の補佐)/主には報告書の作成、出土脆弱資料の保存処理業務など。普及啓発業務/展示室での解説、施設公開イベントの実施、考古学講座での講義など。 「文化財を守りたい」それならば文化財を取り巻く背景を知らなければと思い、文化財行政学や関係法令を専門的に学べる考古調査士資格認定科目を履修しました。また、今後は職務に従事するにあたり何らかの資格が求められる可能性もあります。行政内における専門性の裏付けや、専門職員採用の際の判断基準になるという役割も期待しました。 「埋蔵文化財の保護と活用」という授業です。埋蔵文化財の保護と開発事業の調整に関する類例を基に、学生間でディスカッションを繰り返し文化財保護の基礎や理念を学ぶ講義でした。 現在、埋蔵文化財専門職員に求められる能力は、考古学の専門知識を有するだけでなく、「開発事業と文化財保護とを両立できる方法を調整する能力」や、「文化財の保存・活用を住民の理解を得つつ実行する能力」も含まれています。文化財保護の枠組みを実践的に学ぶことで、埋蔵文化財調査の社会的な任務と責任を考える良い機会となりました。水科 汐華2020年 考古調査士資格2級取得 「考古調査士資格」の取得を通じて学んだ埋蔵文化財に関する知識や技術は、現在の私の仕事に繋がっています。今後、文化財の保存と活用、地域への還元という大きな任務を背負っていくことが要請される私たち若手世代にとっては、益々大学での座学が重要な意味を持つことを実感しています。 当時は考古調査士の資格が専門職員採用時に有効であるのか疑問がありました。採用後、資格の保有が採用に影響したのかと上司に伺うと「文化財保護行政の実務経験が無いのにも関わらずその手の問題によく回答していた」と返答をいただきました。資格取得を通して学んだ講義の内容は、確かな力となり採用にも役立ちました。資格取得者の声現在のご自身の仕事内容について教えてください。「考古調査士資格」を取得しようと思った理由を教えてください。特に記憶に残っている考古学の授業(科目名)と、その理由を教えてください。金沢学院大学 文学部文学科歴史学専攻卒業一般財団法人長野県文化振興事業団 長野県埋蔵文化財センター 所属「考古調査士資格」、あるいは、資格取得の過程で学んだことが、実際の職務に役立ったことはありますか?これから取得を考えている方たちにメッセージがあればお願いします。 私たちのような若手世代がこれからの埋蔵文化財行政を担っていくうえで欠かせない理念を学ぶために、「考古調査士資格」はとても重要です。勿論、資格を取得したからと言って直ぐに能力が備わり実務に役立てられるとは限りません。しかし大学において座学中心に基礎的知識や技術を修得し、「考古調査士資格」を就職前に基礎資格として取得することは、埋蔵文化財業に奉職したいという意識を発起させるものでもあるはずです。 当時抱えていた「文化財を守りたい」という漠然とした思いは、より具体的なものとなり日々の業務に携わる私の背中を押しています。守るためにはまず知ることから。その第一歩を今ここから踏み出してみませんか。守るためにはまず知ることから。その第一歩を今ここから踏み出してみませんか

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