【学生用】考古パンフデータ2022年度版
2/20

 文化庁の統計では、日本全国で毎年8,000件以上の発掘調査が行われているといいます。この中には学術的な発掘調査も含まれますが、大多数は道路建設など公共の施設、建設に関わるもの、あるいは民間の住宅建設などに関わる事前調査によるものです。 人々の営みには開発が付き物です。開発に当たっては、事前に埋蔵文化財の発掘調査を実施することが法令化されており、記録に留めて保存措置をとることが定められています。文化財保護の立場から見ると、年間10,000件近くの遺跡が発掘調査されて、調査後には大部分が破壊される運命を背負っていることは、決して好ましいことではありません。だからこそ、記録保存による発掘調査は体系だった技術と知識に支えられたものでなくてはなりません。 また調査成果を報告書としてまとめ、広く社会に還元して生涯教育や学校教育、さらに町づくりに活用するには、正確で正しい一連の知識と技術が必要になります。したがって、それらの職務には高邁な理念と高い専門性が必要です。事実、これらの埋蔵文化財調査で活躍しているのは、

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る